BtS/呪文活用法

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呪文

呪文」。
ファンタジーMODであるFfH2において、華といえる存在です。
使いよう次第で、Civ4では考えられないほどダイナミックな変化をゲームにもたらすでしょう。

FfH2をやるならば、呪文を存分に活用したいでしょうが、種類が多すぎ、また前提条件が多数あるため、最初は戸惑うかもしれません。
呪文を使うための条件については、以下の説明を読んでください。

ここでは、数多くある呪文から、特に使えるものをピックアップして解説します。まずはこれらを試して、呪文の強さを実感してください。

秘術を使うために必要なマナは十数種類もあり、一度のゲームでここにある全部の呪文を使うのは困難でしょう。序盤から、将来使いたい呪文を見定め、それに沿ってマナノードを開発し術使いを育てていくのが大切です。
なお、生産時から秘術を習得しているユニットはマナが不要ですので、マナノードは他のマナにまわしましょう。

神術のほうは、使うためにマナは不要ですが、その宗教を国教にして、神殿の建設、とやはり下準備が要ります。将来の国教を決めて生産計画を練りましょう。
特に司祭長 (ランク3神術の使い手)は、経験値の蓄積も国教の固定化も必要ですから、秘術ユニット同様、計画的に育てましょう。
ただし、司祭から昇格したドルイド僧は経験値なしに治癒以外のランク3神術を使えます。

解説を参考にするに当たって注意点があります。
「評価」はあくまで目安と考えてください。すべて状況次第で大きく上下します。また高評価 (星3つ以上)のものだけをここに挙げています。ランク1なら「少し使える」程度でも高評価。ランク3は相当強力でないと評価していません。
ここに挙がっていない呪文も、使い方次第で大きな効果を発揮するかもしれませんので、自分なりに創意工夫を凝らしてみてください。それがFfH2の大きな楽しみです。

秘術

術使い (ランク1)→魔術師 (ランク2)→大魔道 (ランク3)の順に術者を昇格させていきます。

秘術呪文・ランク1

術使いの使う呪文を解説します。むろん、上位の魔術師・大魔道も、昇進さえあればこれらを使えます。
また、術使い以外でも使えるユニットはたくさんいます。特にアムリテの場合、全ユニットが使えるようになります。

湧き水 (水1)

呪文の多くは戦争で用いるものですが、中には内政で用いる呪文もあり、「湧き水」はその代表です。

一般的な使い方は、自分の都市圏にある砂漠を平原に変えることです。
不毛の砂漠を使える地形にするメリットは、はかり知れません。
中盤までは都市圏の全タイルで市民を働かせるわけではないし、「砂漠があってもいい」と思うかもしれませんが、金属資源が砂漠に出た場合にそれを平原に変えて+1とか、川沿いの砂漠 (非氾濫原)で使って小屋等を作り+1の川岸ボーナスにあずかるとか、使える場面はけっこうあるものです。

もう一つの能力・鎮火も便利です。
赤炎竜アケロンが近くにいる場合、アルマゲドンカウンタが上がって地獄の地形に浸食された場合などに、自領土が炎に包まれることがあります。
特に森林の多い文明は被害を受けやすいので、平和な時から火の用心、消防署代りに術者を準備しておくと安心です。
鎮火係の術使いは、機動力の昇進をつけておくと何かと便利ですよ。
消防署といえば、水のマナを持っていると、図書館焼失イベントが発生しても回避できるという効果もあります。水のマナはできる限り早く持っておきたいところです。

特殊な使い方として、オアシス・砂漠で湧き水を使うとオアシス・平原に変化し、412という高出力タイルを作り出せます。
なお氾濫原の平原化は、肥沃化や創世記などで可能ですが、湧き水では出来ません。

呪付の刃 (呪付1)

味方ユニットに永続的な効果を与える呪文です。
この手の呪文は、術者が少数でも、戦争前に自軍を集めて1度使うだけで、その全体を永続的に強化できますから、非常に使い勝手が良いです。

中でも呪付の刃の戦闘力+20%というのはかなり強力です。攻防や相手の兵種によらず効果を発揮しますので、自軍に術者を1人混ぜているだけで軍事力はぐっと上がるでしょう。
白兵ユニット限定ですので、弓中心や騎馬中心の文明ではあまり使えません。

武器の腐食を受けたときはこの呪文で回復できます。前線スタックに使い手を入れておくとよいかもしれません。

快足 (肉体1)

「兵は神速を尊ぶ」…というわけではありませんが、戦争において移動力は重要。道路の効果を得られない敵文化圏ではなおさらです。
その移動力を上げてくれるのがこの呪文。スタック全員に効果が及ぶので使いやすいです。
移動力1の白兵スタックに、快足の術者をひとり混ぜ、毎ターン使い続ければ、移動力2倍で進軍できるわけですから、これは便利ですね。術者に機動力 I の昇進をつけたうえで移動力2のスタックに混ぜ、快足で移動力3のスタックを作ることもできます。
無生物 (カタパルト、骸骨など)には効果が無い点だけは注意してください。主力となる白兵ユニットが無生物 (ゴーレム)であるルシュイアープでは非常に使いにくくなります。
敵に立ち直りの時間を与えないためにも、侵略戦争ではこれを活用して一気に敵を打ち破りましょう。
ちなみに、使うのなら移動コストを全て使い切ってから(1/3等を0にしてから)使うと、移動しきった後に移動力1を使用可能となるため、お得になるかもしれません。

骸骨再生 (死1)

ランク1で唯一の召喚呪文です。さらに、時間経過で消滅しないという特徴も持ちます。
つまり、戦争前に大量召喚して (召喚できるユニット数はこの呪文を唱えることができる術者のユニット数に比例)、戦争中は他の術を使えるという点で、非常に使いやすい呪文です。
魔術師や勇士などが少ない序戦で戦力の頭数を揃えるのに最適です。

ただ、侵略戦争で捨て駒として使い過ぎると厭戦感情が増えかねないので気を付けてください。
厭戦無関係な蛮族と戦わせるか、都市防衛戦力として駐在させておくほうが良いかもしれません (治安維持能力はないので、生物ユニットも駐留させる必要有り)。
また、無生物なので、快足で動く部隊に所属させると足を引っ張ることもあります。

欠点として死のマナが外交関係の悪化を招くことがあげられます。また、天上評議会に入っていると死のマナの使用禁止を議決されてしまうことがあります。
使い終わったら死のマナを解呪で手放すか、外交で他国に押し付けてしまうのがいいかもしれません。

順風 (大気1)

大気1を持つ術者が船に乗ったら、すかさずこれを唱えてください。
長い距離を渡らなければならない海軍ユニットにとって、移動力+1はありがたい効果です。術者が下船した後もしばらく効果が消えないのも利点です。

ラヌーン文明をはじめ、2大陸以上にまたがる国を作るならば、順風を使えるようにしたいです。
新大陸開拓や世界一周争いにおいては、順風目的で大気のマナを作ってもいいぐらいです。そうでなくても、竜巻 (風2)のために作った術者が船に乗ったらついでに唱える、といった気軽な使い方もできます。

腐食 (不可逆1)

敵の主力ユニットをスタックごと弱体化させる強力な呪文です。
中盤以降になると弓術・騎乗ユニットも金属武器を装備しますし、鉄・ミスリルと効果も大きくなる分、呪文の効果も強力になります。
特に防衛戦なら、敵の移動や攻城中に何度もかけられる上、武器を再装備できないので威力を発揮できるでしょう。

不可逆のマナは所持していると善文明から外交ペナルティを受ける問題がありますので、術使いに習得させ次第、他国へ輸出するかマナノードを解呪するかしたほうがよいでしょう。

勇気 (魂1)

呪付の刃と同様、味方に永続的な効果を与えるタイプの呪文です。
無生物を除くほぼ全てのユニットに効果があります。

説明では「恐怖無効」とありますが、「ドラゴン」の昇進持ちに対しても効果があります。
赤炎竜アケロンに挑む際など、恐怖の類を持つ相手に挑む場合には、事前に使っておきましょう。
10%回復の能力も何かと役立ちます (衛生兵がそうであるように同タイルに複数の能力者がいても重複しない)。

秘術呪文・ ランク2

魔術師の使う呪文を解説します。むろん、上位の大魔道も、昇進さえあればこれらを使えます。
また、秘術ユニット以外でも使えるユニットはいます。特にアムリテは、火弓隊とゴヴァノンの伝授を組み合わせることで、昇進の許す限り習得できます。

火球 (炎2)

これぞ呪文の花形。みんな大好き、ファイアーボールです。

とにかく使いやすい
都市に砲撃を加えて防御度を下げることもできますし、そのまま突っ込ませて副次的損害を与えることもできます。いずれも一度で消えてしまいますが、火球は倒されても厭戦に影響しませんし、敵は経験値を得ません。そして、次のターンにまた火球を呼び出すことができます。
魔術師10人のスタックが毎ターン10個の火球で攻撃すれば、耐えられる都市はそうそう無いと思います。使い捨てカタパルトとして、大活躍してくれるでしょう。砲撃だけでも十分有用です。

術者に呪文伸長 I~II の昇進を与えると、火球の飛距離が伸びて使いやすくなります。戦闘の昇進があると火球の戦闘力が上がります。

敵の海軍が弱い場合、船に術者を乗せて放つのも良いやり方です (シャドウ対策の一つ)。魔導艦との組み合わせで一方的に攻めまくり、敵が力尽きたところで上陸、占領してしまいましょう。

解呪 (超魔術2)

マナの変更が可能となります。
例えば、たった1つしかマナノードを持っていなかったとしても、まず超魔術のマナにして魔術師に解呪を習得させれば、そのマナをいろいろ入れ替えて、術使い一人一人に別々の系統の呪文を習得させることができるでしょう。
アムリテ文明などで、大量の秘術使いを生産して幅広く役割分担するならば、使いたい呪文です。

この呪文が最大の効果を発揮するのは、支配の塔を建造するときです。炎・水・大地・大気のマナを得て精霊の塔を建造したら、死・不可逆・影・混沌のマナに作り替えて屍霊の塔を…というやり方で、マナノードが4個程度でも支配の塔建造が可能になるのです。

相手の呪文による良い昇進、味方の呪文による悪い昇進を剥がすこともできます。
具体的には、自分についた腐食や魅了、相手についた勇気や忠誠などです。秩序の折伏司祭、キーリンの服従人形ラッシュなどの前に忠誠を剥がしたり、信仰の盾などを剥がして勝率アップなど、突撃前に使っておけば有利になるので、一人は連れておくといいでしょう。

竜巻 (大気2)

範囲内の全ユニットの戦闘力を削ってくれます。
Civ4の攻城戦を思い出して下さい。都市の防御度や敵の耐久力が満タンだと攻めあぐねますが、少しでも敵の戦闘力が削れれば、そのあとは一気に押しつぶすことができた経験が多いのではないでしょうか。
城攻めにかかる前に、魔術師1~2人で竜巻を何度か起こして敵全員の戦闘力を削れば、戦いは数倍楽になります。火球の砲撃による防御値削減と組み合わせれば、固かった都市も難なく攻略できるでしょう。

ふつう、敵の戦闘力を削るには誰かを突撃させて殺す必要があり、そのぶん厭戦感情が増えてしまいます。
厭戦を出さずに敵を削れるという点が、竜巻の大きなメリットです。ただ、敵味方おかまいなしにダメージを与えます (術者と同じスタックにいれば大丈夫です)。中立状態の他国のユニットを巻きこむと、自動的に宣戦布告してしまいますので、注意してください。

蒼褪めたヴェール、深海の旧支配者、至光なる天空の神術に、類似の物があります (後述)。逆に言うと、これら以外を国教とする文明では竜巻および大気のマナの価値が上がります。

攻城戦だけでなく、防衛戦でも威力を発揮します。こちらの都市に迫った敵スタックの戦闘力を削れば、敵はこちらへ突撃して散るか、尻尾を巻いて逃げだすかを選ばねばならなくなるでしょう。選ぶ時間を与えずに殲滅してもかまいませんが。

再生 (肉体2)

Civ4でいう行軍を与えるものです。
侵略戦争において効果的。快足 (肉体1)の術者とともに再生の術者もスタックに入れておきましょう。
都市を陥落させて自軍の戦闘力が下がっていても、足を止めることなく次の敵都市へ即座に進軍でき、敵に立ち直る時間を与えず一気に倒すための力となるでしょう。

ユニットが全快したら再生の効果は消滅します。都市攻撃を始めるか終わるタイミングごとに唱えると良いでしょう。

カラビムのUUヴァンパイアは単独でこの呪文を使用できるため、かなり強力です。

影歩き (影2)

秘術志向がない場合、大量の魔術師を用意することが難しいため、都市攻略戦では防御を削るためにカタパルトを準備する必要があるが、カタパルトは無生物のため、快速が付かないために素早く攻めるのには向かない。
影歩きを詠唱できる魔術師が一人いれば、建造物防御を無視して都市を攻撃できる。 (文化分は有効のまま)
これで勝率がぐっと上がるので、英雄など、高レベルユニットに都市攻撃の昇進をつけておけば、易々と都市を攻略できるだろう。

殺し屋アズラカンに付けておいてあげると、宣戦前の都市のユニットをめった斬りにしてくれる。また、ヴァンパイアと影魔術師が組むと、快速、再生、影歩きであっという間に敵領地を蹂躙できる。一度お試しあれ。

目眩ましの光 (太陽2)

防衛戦に置いて、デススタック志向を持つ敵AIに有効な呪文。術者が5体もいれば、無生物ユニットも含めて敵ユニットはほぼ全部止まる。
その間に竜巻などでスタックに対してダメージを与えれば敵は全滅覚悟で突っ込むか、撤退して回復するかの二択を迫られる事になり時間を稼ぐことが可能になる。
ついでに攻城時にカタパからのカウンターを食らわないようにもできる。

この呪文の大いなる利点は、至光なる天空を国教とするときに発揮される。至光なる天空なら術者を輝ける衛士やラタなどで、戦闘ユニットを作るついでに揃えることが出来る。
燃え立つ火柱や輝きの王冠といったスタックにダメージを与える呪文が揃っているのも追い風となる。
ついでに足止めを担わせる予定の魔術師には、太陽より精神を覚えさせて魅了ついでに閃き要員として使おう。

魅了 (精神2)

目眩ましと同様、敵スタックを強引に止める呪文。
目眩ましの光と比較した主な利点は、解けるまでの時間が平均して長く、同時に多数のユニットが解除されないこと。主な欠点は、移動可能なことと魔族やカタパなど無生物には通じないこと。

また、全土に閃き要員として置いた術使いをついでに魅了の防衛戦力にできるのも利点の一つ。ちょっと便利。
魅了と目眩ましを同時に利用できれば、カウンター能力もかなり上昇するぞ。

秘術呪文・ ランク3

大魔道の使う呪文を解説します。
大魔道は国家ユニットですから、原則4ユニットまでしかこれらの呪文を使えません。大魔道の作成には秘薬の資源が必要です。彼らの力が欲しいなら、序盤から捜索・入手に努めてください。
大魔道およびそれと同様に秘術を習得できる(生産時の余剰マナボーナス含む)ユニットと、その制限は以下のとおりです。

ユニット名文明宗教所持可能数備考
大魔道(カザード以外)-4要: 秘薬
リッチ同上-4死3により転生。余剰マナボーナスはランク1のみ
ゴヴァノンアムリテ-1英雄
コーリンデールエロヒム-1英雄
ギボン・ゴエティア-エススの枢密院1英雄
ヘマーハ-深海の旧支配者1英雄

アムリテの場合、ドルイド僧や司祭長などにも望むランク3秘術を習得させることが可能なため、大魔道級ユニットを10体以上そろえることが可能です。

肥沃化 (自然3)

内政用の地形変化呪文。同じような地形変化呪文の湧き水や日照りに、汎用性で大いに勝ります。

湧き水の砂漠→平原、日照りの氷土→ツンドラに加えて、ツンドラ→平原も可能なため、今まで誰も手を出さなかった不毛の極地に入植して大都市に育てることもできるでしょう。ツンドラ上の鹿や金属資源でこの呪文を使えば、タイル産出はさらに底上げされます。
平原→草原の変化は一長一短ですが、食料資源や灌漑が無いために人口の伸びない都市や偉人都市を育てるためには使えます。
さらに湧き水では出来ない、氾濫原の肥沃化もこの呪文なら可能です。
使ってみれば、この呪文がいかに強いか、実感できるでしょう。沼地の肥沃化が出来ないのは実に残念。

ゴミ捨てイベント (ランダムイベント。自国都市圏1タイルの産出低下)を食い止めるために自然のマナは確保したいところですから、その流れで大魔道ができたら、一人でいいので自然 III の昇進を取り、この呪文で国力を高めるといいでしょう。
肥沃化の役割はドルイド僧に任せてしまうこともできます。司祭長の能力も兼ね備えるので、善良・邪悪な文明でも一時的に中立化する価値はあるかもしれません。

カザードは、大魔道が作れずドルイド僧UUであるドワーフドルイド僧も自然Ⅰを初期スキルとして所持していないので、肥沃化は秘術英雄や大儀式の創世記に任せる事になります。

内政強化呪文なので、当然ながら解禁が早ければ早いほど効果が大きくなります。
最も解禁の早い大魔道といえばギボン・ゴエティア。極地スタートで国土の半分がツンドラなどという時は狙う価値があります。一通り肥沃化が終わった後は、なりすましてもらってから改宗するなりそのまま前線で活躍してもらうなり好きに活用しましょう。

呪文の杖の作成 (呪付3)

一度だけ1ターンに2度呪文を使えるようになる呪文です。
この呪文を使うと、詠唱者が「呪文の杖」の効果を得ます。この効果はターン経過で消えることはありません。
その後、詠唱者が何か呪文をとなえた後に「呪文の杖の解放」を行うと、「呪文の杖」を失うかわりに呪文詠唱前の状態に戻り、そのターンにもう一度呪文を使うことができるのです。

平和なうちに呪文の杖を得ておき、戦争中のここぞという時に呪文の杖を解放して2度呪文を使えば、大魔道の人数が2倍になったのと同じことになり、恐るべき威力を発揮するでしょう。

特にグリゴリの冒険者が昇格した大魔道に「双つ術」とあわせて習得させると、1ターンにランク3召喚ユニットを4体を作り出せます
そしてグリゴリの冒険者は複数作ることができるため、「不死の秘法 (死3)」と組みあせることで極めて強力な魔法軍団を作ることができます。

不死の秘法 (死3)

この呪文を使った大魔道は、リッチに自らを変化させます。
リッチの能力は、屍人である以外はほぼ大魔道と同等。この呪文を使う目的は、ランク3の呪文使いを増やすことにあります。
不死の秘法を使わなければ、大魔道 (国家ユニット)は最大4人しか所有できません。しかし、4人をリッチに転生させれば大魔道の枠が空くため、大魔道4 + リッチ4と、最大8人のランク3呪文使いを揃えることができるのです。
なお、英雄はリッチ化出来ません。

欠点は骸骨再生 (死1)同様、死のマナが他国の不興を買うことくらいです。
大魔道およびリッチに、どの昇進をつけ (=どの呪文を使わせ)るか役割分担をはっきりさせ、早期から綿密に計画を練っておきましょう。

武勇 (法3)

昇進が極めて強力なFfH2において、その取得経験値を増加させるこの魔法は大変強力です。戦えば戦うほど自軍を強化できますし、魔術師や司祭のように一刻も早く経験値を得たいユニットにとっては僥倖です。積極的に弱った敵にトドメを刺していけばあっという間に昇格が可能となるでしょう。

最大の欠点は入手が遅いこと。ですが宗教英雄の力を借りれば話は別です。
至光なる天空の英雄「ハリッド・アストラケイン」は最初から法 I を所持しているので、すぐに武勇を覚えさせられます。本人自体の強力さも合わさって大活躍してくれます。
やや手間がかかりますがヘマーハやギボン・ゴエティアに覚えさせてもいいでしょう。どれも大魔道を待つより遥かに早く取得できるので、これだけのために改宗する価値は大いにあります。

蘇生 (生命3)

蘇生といっても実際には再生産に等しく、経験によって得た昇進などは全て失われます。
復活させられるのは文明に登録された英雄だけです。バルナクサスやヘルネ、ルシアンなど文明固有の英雄でありながら復活できない英雄も多々います。 (バルナクサスはかけらで復活可能)
結果としてルシュイアープ、グリゴリ、ドヴィエロの3文明にとってはこの呪文の対象になる英雄が存在せず、価値がとても低くなります。

基本的には使う機会の無い呪文ですが、文明の英雄が死んだ場合にのみ生産可能な「英雄の神殿」を、建造後に蘇生させることも可能です。
また、エロヒムのコーリンデールは特殊能力を使用すると死亡しますが、蘇生の呪文さえあれば乱発することも可能です。同様にシダーのラタス・デンモラも影人にした後に蘇生させることで、戦争をせずとも100ターンに3体の影人を生産できます。
なお、墓地で使えば勇士を永続的に召喚するという効果もありますが、こちらは使うことは無いでしょう。

緑葉を信仰している場合は蘇生はイヴァンに任せて大魔道は他の呪文を取るのがよいでしょう。イヴァンは同じく内政系Lv3魔法の肥沃化も使用できますし。
エロヒムの場合は、篤信家をドルイド僧に昇格させることで手に入れることも出来ます。

信頼 (魂3)

実行可能なのは1文明に付き一度きりですが、全文明からの外交態度が永続的に+4されます。
外交上の立ち回りが非常にやりやすくなるでしょう。

大魔道候補が多数いるなら、この呪文を使った術者は削除して、他のランク3秘術を使うために国家ユニット枠を空けるという荒技もあります。
ここは「大魔道は外交に偉大な業績を残し、後進に道を譲って引退した」と考えたいところです。悪の文明なら「用済みになった危険人物を謀殺した」という設定もありかもしれませんが (笑)。

またこの呪文は、エロヒムのコーリンデールやエススの枢密院のギボン・ゴエティアととても相性がよいです。他国の信頼を得たあとに「和平」や「なりすまし」で祖国の礎となってもらいましょう。コーリンデールは蘇生で復活も出来ます。

炎の精霊の召喚 (炎3)

ここまでで挙げていないランク3の呪文は、その多くが召喚呪文です。
挙げていない理由は、召喚呪文が役に立たないからではなく、召喚呪文の強さが状況次第で変わるからです。例えば精霊は親和力により、持つマナ次第で戦闘力が変わります。
自文明で特定のマナを複数個持つ場合、そのマナに対応する召喚呪文を使うと強力になるでしょう。

その中であえて一つを挙げるとするならば、炎の精霊の召喚。理由は「火球」との相性の良さです。
召喚呪文がその真価を発揮するには、術者に戦闘、呪文伸長の昇進をできる限り多く付けたいところです (召喚されたユニットの戦闘力・移動力アップ)。しかしそうすると他の昇進を付けられず、使える呪文が限定されることになります。
ならば、他の呪文を使う時にも、戦闘、呪文伸長の昇進が役に立つような形が望ましいですよね。
戦闘・呪文伸長・炎 III という組み合わせなら、最強の炎の精霊を召喚できるだけでなく、火球も威力・飛距離ともに強くなるので、総合的に有能な術者となれるわけです。
厭戦に影響しない火球で砲撃・削りを行い、弱った敵に炎の精霊でとどめをさしましょう。

英雄の昇進を持つ秘術ユニット (冒険者出身の大魔道やヘマーハ等)であるならば、戦闘、炎 III に加えて双つ術の昇進をぜひ取りましょう。火球や精霊を一度に2つも召喚できます。これは無論、火以外の召喚呪文においても有効な手段です。

まとめ・優先的に欲しいマナ

以上を総合すると、「使える」マナ、優先的に欲しいマナは以下のようになります。

ただし、マナの役割は呪文習得だけではありません。
生命のマナは衛生を上げ、精神のマナは研究を促進し、大地のマナは資源発見率を上げ、影のマナはエススの枢密院に属する文明に諸々のボーナスをもたらす等、いろいろな恩恵があります。
総合的に検討し、よく考えてマナを選定してください。

神術

司祭 (ランク2)→司祭長 (ランク3)の順に術者を昇格させていきます。
神術については、宗教雑感も参考になります。

神術呪文・ランク2

司祭系の信奉者ユニット (聖職で解禁されるもの。緑葉の司祭、キルモフの宝石番など)の使う呪文を解説します。
司祭の生産にはその宗教を国教にし、神殿を建てる必要があります。ただし秘術ユニットとは異なり、生産直後にランク2の呪文を使える「即戦力」として頼れる存在です。
宗教志向ならば、国教をころころ切り替えて、多くの宗教の司祭を揃える手も有効です。

花盛り (緑葉2)

植林の呪文です。内政呪文の代表格の一つであり、緑葉の同胞信者の救世主と言えます。

森林はを増やしますから、普通の文明であっても欲しい場面はあります。
若き森林はしばらく経つと森林に成長しますので、遺産を作る助けに、植林→伐採を繰り返すのもいいでしょう。緑葉の同胞が国教なら、森林の時に製材所を作っておき、森林が古代樹林に成長すれば、草原で32というなかなかの出力を出してくれます。

しかし、この呪文が真価を発揮するのは、なんといってもエルフ文明 (リョースアールヴ、スヴァルトアールヴ)においてです。
エルフ文明は森林を残したまま小屋・農場などを作ることができます。
他の文明だと森を残しつつ可能なタイル整備が、製材所と狩猟場しかなく最大出力が上記程度で終わるのに対して、エルフなら草原を315と+0.5を生み出す古代樹林付き町にすることが出来ます。
改善が町以外でも古代樹林の高い出力により、ほとんどのタイルが21以上となり、森を作れば作るほど人口は増え続けて都市建造物も充実していくでしょう。
社会制度「大自然の守護者」を採用すれば、増えた人口を支えるためのまで森林がもたらしてくれます。こうしてエルフ文明は内政で他をリードできるわけです。

なお花盛りを使うためには、基盤地形が草原・平地・ツンドラのどれかであり、オアシスや氾濫原などの地形上の地物がない必要があります。都市直下も無理です。
砂漠や氷土には植林できませんし、ツンドラに植えてもあまり地形改善ができないので今一歩。そういう立地の場合は地形変化呪文と併用していきましょう。
通常は小屋・農場などのタイル整備の上から植林することも出来ません。エルフは別ですが。

逆に言うと、エルフ文明を攻めるときは炎を使って森を焼いてしまうのが有力手段。その対抗策としても、エルフは水のマナと湧き水 (水1)の術者を確保したいところです。

虎の召喚 (緑葉2)

虎は戦闘力4、移動力2。骸骨再生 (死1)と似た術です。
違うのは、都市で虎の檻 (建築物)に入れてを確保する使い道もあること (必要条件:巡業サーカス)。
花盛りで人口を増やし、虎の幸福でその人口を支える。タイガー・ショーは素敵なコンボでしょう。
一休さんは「屏風から虎を追い出してください」と言ったそうですが、本当に虎を呼び出せる僧侶を見たら驚くでしょうね。

津波 (深海2)

竜巻 (風2)と似ていますが、実行タイルおよび効果範囲が水上および沿岸に制限されている分ダメージが強烈です。
中立ユニットを巻きこむと宣戦布告してしまうのも同様です。
癖のある呪文ですが術者は水上歩行持ちなので、深きものども等の水上歩行持ちユニットと組み合わせて水上から運用すると凶悪な沿岸都市攻撃力を誇ります。
なお、湖の上に立たせておけば、水上歩行や飛行を持つユニット以外から攻撃を一切受けません。是非とも利用しましょう。

信仰の盾 (キルモフ2)

呪付の刃 (呪付1)と同じタイプの、ユニットを永続的に強化する呪文。
生物ならば兵種を選ばず、「呪付の刃(呪付1)」「炎の矢(呪付2)」「毒の刃(自然2)」などと重ねがけできるため、自軍全体の底上げができます。
平時から全員にかけておきたい呪文です。

一時的にでもキルモフのルーンに国教を変更し、1体だけでも司祭を作っておきたいところです。
逆に言えば、たくさんいてもあまり役に立ちません。

炎の輪 (ヴェール2)

竜巻 (大気2)と似ています。範囲は狭いですが、逆に言えば味方・中立ユニットを巻きこむ危険性が減ります。森林文明へのいやがらせにも最適。

発覚 (至天2)

ゲーム後半に呪文中心で戦争するとき、シャドウなどの不可視・狙撃ユニットにこちらの大魔道・魔術師が狙われることが多くあります。
対抗策の代表がこれです。呪文使いスタックに術者を混ぜ、できるだけ頻繁に使いましょう。
エススの枢密院を国教とする文明と戦うには非常に便利です。
ただし自文化圏以外での戦いでは、発覚の効果範囲外から移動して攻撃を仕掛けるシャドウ等もあり、完全とはいえません。「護衛」の昇進を持つユニットをつけるなどの対策も併用しましょう。

自国沿岸に私掠船を見かけたら、発覚を使うと良いでしょう。敵国の船でない限り、それ以上は手出しできなくなります。

強化版解呪としても使えます。
マナノードを戻すことは出来ないため、超魔術2の肩代わりを完全にこなすことは出来ませんが、戦争利用に関しては上位互換になります。解呪術師は内政に専念させて戦争には彼らが向かいましょう。

神術呪文・ランク3

司祭長系の信奉者ユニット (神学で解禁されるもの。緑葉の司祭長、秩序の修道院長など)の使う呪文を解説します。
司祭長系は国家ユニットですから、4ユニットまでしかこれらの呪文を使えません。また、対応する宗教を国教から外すと文明を去ります。つまり、以下のうち使えるのは治癒プラス1種類だけ、ということです。
しかし、実は司祭から昇格したドルイド僧は信教を受け継ぎつつ司祭長の能力もほぼ併せ持ちます。ドルイド僧は国教や属性の変化で文明を去ることがないため、上記の制限を受けません。
一時的にでも国教を変更し(昇格時には属性も中立にして)、各宗派のドルイド僧を揃えれば、最大で5宗派(ドルイド僧各1種 x 4 + 国教の司祭長1種)のランク3の神術呪文が使えることになります。

少々面倒ですが、グリゴリでも精神 III の服従、ルオンノタルの折伏などによって他国の司祭を獲得できれば、ルオンノタルに昇格することでランク3の神術を使うこともできます。

治癒 (衛生兵3)

正確には神術呪文ではなく衛生兵 III の技能ですが、かつては神術呪文であった事実や術者の共通性よりここで扱います。

宗教によらず使える、聖職者御用達の回復呪文、いわばベホマラー。
激戦の中では、ありがたい存在でしょう。
司祭を生産できないグリゴリにおいても、固有ユニットのグリゴリ衛生兵がこの呪文を使うことができます。容易に生産できる分、この呪文の恩恵に与る機会はより多いでしょう。
ドルイド僧はこの呪文を使えませんので、司祭長の完全な代替ユニットにはなれません。

輝きの王冠 (至天3)

炎の輪のように、範囲内の全ての敵ユニットの体力を一度に奪うことが出来ますが、味方や中立には被害がないため周囲に気を遣う必要もありません。
さらに75%の確率で次のターンにも持続する呪文です。
もちろん、持続している間に他の呪文を唱える事はできますから、1ターンに2回の呪文が使えるようなものです。
至天の英雄ハリッド・アストラケインなら、固有の攻撃呪文燃え立つ火柱も持っているので、1ターンに2回の攻撃呪文という非常に強力な攻撃が行えます。
また、不可視の敵を暴く効果も同時に併せ持ちます。

トレントの召喚 (緑葉3)

トレントは戦闘力10。骸骨再生 (死1)に比べれば格段に強力。
森林・古代樹林でしか実行できませんが、森林地帯での戦闘でこそ強さを発揮するため妥当なところ。森ごと燃やされない限りは……。
特にエルフ文明の防衛戦では非常に使い勝手がいいです。自動で迎撃に飛び出すトレントと連携して領内に進入する敵を討ち取ります。
召喚系神術を使う術者は、レベルの低い緑葉の司祭時代から意識して、戦闘の昇進を多く付けておきたいものです。

クラーケンの召喚 (深海3)

クラーケンの力は戦闘力17、移動力4、隠密。評価は召喚可能数によりますが、クラーケンの足の届く限りの範囲では、制海権はこちらのものでしょう。
英雄など重要ユニットを海上輸送する際に、護衛に付けておくと安心です。
術者に戦闘術が欲しいのはトレントと同じです。しかしトレントに大きく勝る点は、クラーケンは経験をつむことで成長することです。
戦闘 I~V の術者が召喚したクラーケンに電撃戦を取得させれば、たった1匹で敵艦隊をずたずたにできるでしょう。
クラーケン部隊を作成するためだけにドルイド僧4体を全部深海でそろえる価値はあります。4匹召喚したらいらない深海ドルイド僧を削除して、他の宗派のドルイド僧を加えてもいいでしょう。

揺るぎない指令 (秩序3)

愉悦の塔 (Civ4のグローブ座)が増える呪文だと言えます。 人海戦術でかさむ維持費を減らす役に役立ちます。また、終盤の文化勝利や支配の塔、ルオンノタルの祭壇建造に使う偉大な技師輩出のために、偉人都市に置いておくのが大変有効です。本編や愉悦の塔と違い、膨大なハンマーや劇場建設のノルマが不要、偉人プール汚染で泣かされないという点において優れています。

またこの呪文には都市の反乱を即座に鎮圧する効果があります。
なので進軍の際この呪文を使えるユニットをスタックに1体混ぜておくと、占領した都市が即座に機能を取り戻すことができ、よりスムーズに行軍を再開できます。
一度反乱が鎮圧されてしまえば術者が都市を離れても問題ありません。

残念ながら徴兵には向いていません。人口1で斧兵、2で勇士、4も消費してようやく狂戦士(しかも国家ユニットのため4体まで)という微妙さなので、本編のライフル徴兵のように強力なものではありません。
勝利方法によっては無理に作成する程ではないでしょう。

おわりに

ここに挙げたのは、何人かが「使える」と言っているものですが、決して他の呪文が使えないわけではありません。
例えばここで挙げなかった中では、肉体3の召喚呪文「肉のゴーレム」…このゴーレムは合成でどんどん昇進をつけられるので、昇進の組み合わせ次第でもしかしたら凄いことができるかもしれません。

あまり使われない呪文の底力を、知恵を凝らして引き出した時の快感はひとしおですよ。それこそが、Fall from Heaven II ならではの楽しみではないでしょうか。
呪文は素晴らしいものですが、もっと素晴らしいのは、文明を輝かせるために呪文の応用法を考える、あなたの頭脳なのです。

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